未来食堂通信

カテゴリ:唐辛子通信( 5 )

僕と唐辛子

ゴールデンウィークも終わり、初夏の兆しもみえ始める中、

トレ ルマーケもますます南イタリアの料理が増えてきています。

そんな中暑くなってくると無性に作りたくなってくるのが、唐辛子を使った

辛い料理。


そして料理人は食べ手を常に想像しながらつくるもの・・・・・

今日はどんな人がそんな自分の唐辛子料理を食べているところを妄想しているのか

紹介します。


まずは 金城武

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台湾の屋台で・・・・



中国からは トニー レオン

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映画「ブエノスアイレス」のようにブリーフ一枚で食べてほしい。



ハビエル・バルデム

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少し怒りながら・・・・・



ゲバラ役でおなじみ ベニチオ デル トロ。

すこし我慢して汗を大量に流しながら食べてくれそうです。

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特濃系の汗,JB

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辛そうです。





皇帝

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・・・・・感無量です。





続く
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by tre-lumache | 2010-07-31 23:45 | 唐辛子通信

続き

久しぶりの更新です。店が忙しくなると更新が滞ります。



前回の記事はゲイなのかサディストなのかよくわからない内容になってしまいました。



僕は決してどちらでもありませんが、イメージしているのは



国籍ボーダレスな大陸的バイタリティと大陸的フェロモンを



感じさせる豪胆でタフネスな男性たちです。



そもそも 「からい」 というのは生理学上 舌の味覚ではなく



バニロイド受容体で感じる痛覚への刺激であり、




甘味、酸味、苦味、塩味とならび五味に




入っているのはあくまでも社会通念上のものです。




現代日本で増殖する痛覚に弱い草食系男子たちが




尻込みしそうな辛い料理をものともせず




ダンディなフェロモンをまき散らしながらしなやかに食べる彼らのような男性こそ




これからますます経済的苦境に立たされる日本の未来を乗り越え、





女性にも もてるのではないでしょうか?




ちなみに、ときどき当店の草食系若手調理人が辛い料理を





苦しそうに味見しているのを見ると






「やっぱりな・・・・・」




と思います。





次回はハバネロよりも辛い唐辛子の世界。






つづく
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by tre-lumache | 2010-07-30 08:23 | 唐辛子通信

唐辛子の話


当店ではお客様に提供するのには自分が決めた 辛さの限度というものが




あるのでそれ以上はお客様に求められない限り 辛くはしないのですが、



外食しているとたまにとんでもないぐらい辛い料理に出会うことが



あります。



そういうときはそれをつくっている料理人たち(だいたい日本人ではない)



の媚(こび)をうらない豪胆な姿勢に 膝を屈して崇めたくなります。



あるのはこの料理は辛いのがおいしいという自己主張だけで、



相手は外国人なので(だいたい)言葉が通じないのも自由が拘束されていて



そういうとこも好きです。



ところで唐辛子の辛さを数値化したものをスコヴィル値というのを


みなさんご存知でしょうか?




説明は少しめんどくさいのでインターネットからの引用文で・・・・


1912年にスコヴィル味覚テスト(Scoville Organoleptic Test)を考案した化学者、ウィルバー・スコヴィルの名から名づけられた。開発当初は、トウガラシのエキスの溶解物を複数(通常は5人)の被験者が辛味を感じなくなるまで砂糖水に溶かし、その倍率をスコヴィル値としていた。したがって、カプサイシンを含まないピーマンのスコヴィル値が0(砂糖水に溶かさなくても辛味を感じない)とされ、一方、ハバネロのようなもっとも辛い種類の唐辛子は値が300,000、つまり、そのエキスのカプサイシンが舌で感じられなくなるようにするには、水で300,000倍に希釈する必要があることを示す。このテストの最大の問題点は、人の主観に頼っているという不明瞭さである。

近年、高速液体クロマトグラフィーによりカプサイシンの量を直接量るジレット法などが開発された。現在では被験者の主観に頼らない測定機によるトウガラシの辛さ測定法が主流となっている。しかしスコヴィル値が長年使用されあまりに普及しているため、機械測定したカプサイシン量の数値をスコヴィル値に変換し直して表記する方法が一般化している。



スコヴィル値 代表的なもの


16,000,000  ブレアズ・16ミリオン・リザーブ(ガードナー・リソースィズ社の製品)


5,300,000    警察官用トウガラシスプレー


2,000,000   一般用トウガラシスプレー



1,001,304    ブート・ジョロキア


      (ギネス・ワールド・レコーズ認定「世界一辛いトウガラシ」: 2007年)




100,000 - 350,000  ハバネロ



2,500 - 8,000   ハラペーニョ


2,500 - 5,000    タバスコ・ソース (たいしたことないです)



100 - 500   ペペロンチーニ・ペッパー、ピメント




       ピーマン、シシトウガラシ  



とあります。


ここで注目したいのが 1600万スコヴィルのブレアズ・16ミリオン・リザーブ



ではなく



100万1304スコヴィルの ブート・ジョロキアです。


植物としてトップというだけではなく





35万スコヴィルのハバネロのおよそ3倍もの辛さが目を引きます。



これでやっとわかったのが



あの超有名なスナック菓子暴君ハバネロの最大のライバルだった




大魔王ジョロキア

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いかに最狂の敵であったがやっとわかったのでした。




さらに調べているといろいろな人たちが栽培方法を公開しているのですが


いちばんおもしろかったのが ターリーヤというカレー屋の社長のブログ


写真の1枚

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北村弁護士かと思いました。



まだまだ続く
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by tre-lumache | 2010-07-27 20:27 | 唐辛子通信

唐辛子通信


今日の記事は長いです。


いつも字が多く不便をかけているのでレイアウトを変更しました。


フル画面で見るととても見やすいですヨ。


唐辛子について前回いろいろ書きましたがそんな唐辛子を使った食品のコンテストを行っているのが


辛さの単位である“スコヴィル”がその名の由来となった スコヴィーアワード

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トウガラシ生産量全米1位のニューメキシコ州アルバカーキで


毎年開催され、世界各国から600点以上の商品がエントリーされる激辛界のアカデミー賞です。




この賞2005年には 1位、2位、3位を東ハトのスナック菓子である暴君ハバネロおよび


マーラー仙人

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が独占するという偉業を成し遂げたのですが、



いわゆるスナック菓子という大企業による工場製品ということや、バーベキューソースが基本的に評価の対象になるような味音痴の国アメリカ開催ということもあり、




僕のような弱小街食堂のいち料理人からするとどうにも賛意を表せない 重苦しい感情がわきあがります。




それにたいしてイタリアでは


ACCADEMIA ITALIANA DEL PEPERONCINO (イタリア唐辛子学会


というNPO法人がカラブリア州ディアマンテに存在し、毎年 ペペロンチーノ フェスティバル という 大イベントを催し、

ミス ペペロンチーノ コンテストを決定したり、唐辛子早食い競争をしたり、 唐辛子料理コンテストを開催しているのをご存知でしょうか?






ものすごい人の数です。

7:05からインタビューをうけているのが学会の設立者 エンツォ モナコ

アグレッシブな唐辛子のシャツはロンドンやニューヨークで購入したそうです


ちなみに この人が2006年の ミス ペペロンチーノ

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ミス天神橋ぐらいの地味さです。





この唐辛子学会はとても大真面目というか高尚な学会で僕もファンというか大阪支部をつくろうと思っているのですが、


たぶんまだ日本で知っている方は皆無だと思われます。



そこでこの唐辛子学会のホームページに潜入し、原文を訳しながら紹介したいと思います。



この唐辛子学会はイタリアの一大唐辛子産地であるカラブリア州のディアマンテにフードジャーナリストであるエンツォ モナコが設立し、今ではイタリア全国の主要都市で5000人以上のメンバーと60の学術代表団で形成される大きな団体です。


その会の活動趣旨、目的は



美食(食品)、化粧品、薬理学、医学、そのほか人類に有益な分野において唐辛子についてのすべての使用可能性について調査、研究し、品質性、生産性についても注力する とあります。 (原文ほぼママ)



さらにこの団体のすごいところは文化としての唐辛子を位置づけ、啓蒙に取り組んでいます。


私たちは世界中の唐辛子に直接的に、あるいは間接的に関連する伝統、風習、習慣を研究し深く掘り下げていきます。


そして「唐辛子の文化」と直接的にあるいは間接的に関連、あるいは関連付けることのできる芸術的表現(文学、映画、テレビ、ジャーナリズム、絵画、彫刻など)のそれぞれの形成を高めていきます。
 (原文完全翻訳)


芸術と唐辛子がなぜ結びつくのかというと



唐辛子がもつ「からさ」


という性質は「罪」と「非順応」であり、それが芸術と可着する。


ということです。



「罪」と「非順応」・・・・・・・・


唐辛子料理をおいしいと思って食べてる時に


まわりがただ「辛い」「辛い」と言ってこちらをおかしな人間のように見つめるあの時の

 

自分の疎外感。



おしゃれイタリアンが当たり前の日本のイタリアンレストランという業界で


美食でもおしゃれでもないような料理をつくっている背徳感や孤独感。






まさに 罪(悪感)と 非順応。



この学会の人にとっては そんな わたしの日頃の煩悶こそ芸術の源泉なのであり、芸術のアイデンティティーなのです。




自分のことをわかってくれる人間がここにいたのかと思い感涙しました





VIVA ! ENZO MONACO !


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VIVA!! ENZO MONACO !!

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VIVA!!! ENZO MONACO !!!




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・・・・・・・?










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続く
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by tre-lumache | 2010-07-27 14:25 | 唐辛子通信

唐辛子通信 4

久々の更新。今後はせめて一週間ペースで・・・・



というわけでもうそろそろ終わりにしたい唐辛子の話ですが


今日は少しマニアックな話。


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日本で唐辛子を使った イタリア料理といえば スパゲッティ アーリオ オーリオ


エ ペペロンチーノ。




アブルッツォ州起源説などもあるが、カラブリア州、プーリア州


など南イタリアを中心に、唐辛子料理のシンボル的存在感を示す料理である。




ところで



一昔前の料理本などでこれが別名「絶望のスパゲッティ=Spaghetti alla disperata」


と紹介されていたのを覚えている方は多いのではないだろうか?



理由は 家にオイルと塩、ニンニク、唐辛子しか材料がないほど絶望の末に

つくるパスタ、だからとか


完璧につくるのが難しいので注文された料理人が絶望するパスタだとか



それっぽい理由がつけられて紹介されていた。



イタリーの人は、アーリオ オーリオがあまりに簡素で、材料も最低限のものしか使わないところから、絶望のスパゲッティとか、夢も希望もないスパゲッティとかいってました。
にんにく。オイル。パセリ。赤唐辛子。これっきり。贅沢なものはなんにもない。ああ、これではもう絶望だ……。という意味合いを持たせたものです。



「アーリオ オーリオの作り方」片岡護(集英社/1999)



パセリなんか使っていて何を絶望するんだとか、


讃岐うどんの生醤油+薬味を食べてもイタリア人は絶望するのか


などいろいろ考えるが、一方でこんな「絶望のスパゲッティ」のレシピもある。






冷蔵庫のドアを開けて、

一コの希望もみつからないような日には

ピーマンをフライパンで焼く。

焼け焦げができたら、水で冷やして、

皮をむき、種子をとる。

トマトを湯むきし、乾燥キノコを

水に漬けてもどし、30粒ほどの

オリーブの種子をていねいにぬいて、

それらぜんぶとアンチョビーとケーパー、

パセリをすばらしく細かく刻む。


玉葱、大蒜、サルビアを刻む。

もうだめだというくらい切り刻む。

それからじっくりと弱火で炒める。

火を止めて、あら熱がとれたら

パルメザンチーズをたっぷりと振る。

しゃきっと茹でた熱いままの

スパゲッティにかけてよく混ぜあわせる。

スパゲッティ・ディスペラート。

絶望のスパゲッティと、

イタリア人はそうよぶらしい。

どこにも一コの希望もみつからない

平凡な一日をなぐさめてくれる

すばらしい絶望。




「食卓一期一会」(晶文社) 絶望のスパゲッティ 長田弘



『東西食卓異聞』のなかでも高橋哲雄氏がこのレシピの違いについて指摘しているが、



イタリア現地の料理本や古典によるとどうも詩人の 長田弘の



書いてる作り方のほうが正しいようである。


詩人の長田 弘は 同著作の別の詩で「イタリアの女が教えてくれたこと」


という題名で


「本当は黒いパンがいい」と意味深なレシピを



「イタリアの女」から教わるほどのイタリア料理通であるので



ある料理人の見聞を凌駕していても不思議でもなんでもない。




高橋氏はさらになぜこんなに材料も手間も必要なスパゲッティを


絶望のスパゲッティと呼ぶのか言及していくのであるが、


氏の推測のように深刻な状況に陥らずとも、イタリア人は「Sono disperato.」


と叫びよく落ち込んでいる。



通常の平凡な日本人なら一生に3回ぐらいしか「絶望だ(や)」


とかいう言葉は口にしないところをイタリア人は大阪人が



「もうあかん」とか


「あかんかったわ」とか


言うのと同じぐらいの頻度でよく使っているので



イタリア滞在中 250回ぐらいは絶望したイタリア人との



会話につきあったことがあるような気がする。



しかし絶望したイタリア人がこのパスタを食べているのは



一度も見たことがない。



トレ ルマーケでもメニュー化して なんとなく今日だめだった方々に食べてもらうおか



と思ったのだが、注文が多すぎると店が 逆パワースポット化して


 
自分の運気までもぎ取られそうだし、



西天満ではそれにまつわる注文のやり取りが似合わないような気がしたのでやめた。




「今日はなにもかもついてなかったわ。私もうだめかもしれない。」



「さっきから酒ばかり飲んでどうしたんだい?パスタなら食べれるかい?」



「食欲なんか全然ないんだけど・・・。パスタぐらいなら・・・・」



「ちょっと待ってて・・・。そんな君を慰めてくれるパスタをつくってあげる」




東京の麻布や目黒のマンションやバーでは夜な夜なこんな光景が繰り広げられているのかもしれない。



ステレオタイプな大阪論は嫌いなので、言葉の表現をやり玉に



こういったたぐいのやりとりを完全否定せず、



弘兼憲史の人間交差点的に連続ショートドラマで見てみたい気もする。




しかしうちの店の雰囲気と自分を含めたスタッフの品性では明らかに受注の際の空気感に無理がある。




だからやめた。




つまり今日は 妄想のみでボツになったメニューの話。








トレ ルマーケでは こっちの話のほうが多いかもしれない・・・









唐辛子シリーズ 完
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by tre-lumache | 2010-07-15 03:36 | 唐辛子通信